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Lewis Furey

件のルイス・フューレイ来日公演を観に行ってまいりました。

確かにルイス・フューレイ。
彼以外には考えられない、この声。

高く張り上げるような声はもう出ないけれど、さわりの激しいその声の魅力はレコードで聴いていたときと変わらない。

そして闇を覗き込むような眼差し。
すごくじぃぃっと客席を凝視しながら、歌う。

グランド・ピアノが2台と、時々ピアニカ。女性ヴォーカル2人。
たったこれだけのシンプルな構成で、好きだというブラームスの曲や往年の自作曲を歌った、ルイス・フューレイ。たったこれだけ、とは感じさせないアレンジ構成はじっつに見事なものでありました。が。

観に行って、いやいや、こうして生で観ることが出来て本当によかったと思うのと同時に、なにやら物足りなさを感じてしまったのも、また事実。

もう何十年と表舞台に出て歌うことがなかったルイス・フューレイ。
「表に出て歌うのはキャロル(奥さんであるキャロル・ローレ)に任せた」ということだったのだけど、実際に彼の舞台を見て、なんとなくその理由が分かるような気がした。

自分自身を演出するよりも、自分以外の共通する何かを持つ人を演出するほうが、この人には向いているのかもしれない。今回の舞台でも、娘に歌わせている時のほうが逆に彼の持つ「毒」の部分が顕れているように感じた。

ハンドマイクでも数曲歌ったのだけれど、うーむ、なんというかなぁ、いわゆる舞台映えとか、華とか、そういうものがないんだなぁ。

もちろん、たとえばファースト・アルバムを出した頃の舞台などは、きっともっと毒々しく、猥雑で、悪魔的な雰囲気もあったんじゃないかとは思う。今更こんなことを言ってもしょうがないけれど、やはり現役の頃に観たかったなぁ。。。

物足りなく感じた要因のひとつは、やはり現役ではないという点かもしれない。表現に切羽詰まったものは何もないのだ。

娘をヴォーカルに据え、デュエット(というか、かけあいというか)もし、最後の方では息子も出てきてピアノを弾き、思っていたよりもずっとアットホームで和やかなステージは、ルイス・フューレイの音楽に対して抱いていた幻想とは別物。娘さんはさすがはルイス・フューレイとキャロル・ローレの血を引くだけあって、若さの甘さ(ひょっとして十代かしら?)と凄みを持ち合わせていて、今後が楽しみな感じではあった。

ひょっとしたら、この娘を演出することが今後のルイス・フューレイの活動になるのかもしれないな。うん。

美人の奥さんがいて、魅力的な娘と息子がいて、要するにルイスさんはとっくに「放浪者」でも「ろくでなし」でもないんだ。

箱蛙はやっぱりルイス・フューレイが大好きだけれども(多分、これからもDJの時にかけたりするだろうね)、もう「まい・あいどる」ではないなぁ。とかいって、限定復刻デビュー盤はしっかり買ってきたけどね(画像の真ん中のがそうです)。

で、今の箱蛙のあいどる、ボブ・ディラン。
4月28日に新譜が出るそうな。

Together Through Life - ボブ・ディランについて語るときに僕の語ること

現役ですね、このろくでなしは。
未だに1960年代のディランばかり聴いている箱蛙だけれども、やはり新譜となれば聴かねばなるまいてーーーー!

正直言って、とっても嬉しい。
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